サミットに向けて/ 沖縄自動車道 準備・急ピッチ
 
         
   
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  主要国首脳会議(沖縄サミット)まで、あと残りわずかに迫った。七月二十一日からの本番に備え、沖縄県の大動脈日本道路公団(以下JH)沖縄自動車道ではサミットに向けて急ピッチで準備が進められている。
 各国首脳や大勢の報道陣の移動手段として沖縄自動車道が重要な役割をはたすことが期待されているため、JHではサミット関連で来訪する方々により良い交通環境を提供するとともに、世界のメディアにこの機会を通して日本の道路技術を知ってもらおうと各種事業に取組んでいる。
 サミットを契機としてわが国の道路技術のショーウインドウになるべく準備が進めている沖縄自動車道を取材する。

 沖縄自動車道は沖縄で海洋博覧会が開催されるのに合わせて昭和52年5月に名護市から石川市間の26.1km(通称北部区間) が、一般有料道路として供用が開始された。 以後、海邦国体が開催された昭和62年10月に石川市から那覇市間の31.4km (通称南部区間)が高速自動車国道として開通し、同時に名護市から石川市間も高速自動車国道に編入された。現在は沖縄自動車道と那覇空港を連絡する那覇空港自動車道の建設が沖縄開発庁との合併施工により進められており、その一部の西原JCTよりの南風原道路(5.1km)は平成12年開通予定であるが、サミット前に出来る限りの準備が進められている。

□ 最新の技術に基づく改良

 沖縄自動車道はサミット開催に向けて、最新の技術を用いた道路交通情報システムや地域情報のサービス、路面の改良等を行い、最先端の高速道路に生まれ変わろうとしている。その一部を紹介する。

○ 高機能舗装への大規模改良
 全線の約60%を排水機能と低騒音機能を併せ持つ高機能舗装に改良することにより、より安全で快適な環境性の向上を図っている。

○ ETCの設置
 今年4月から本州の一部地域でもサービスが開始されたETC(ノンスットプ自動料金収受システム)を那覇I.C、沖縄I.C、石川I.C、屋嘉I.C、許田I.Cの5箇所に設置する。

○ VICSの設置
 VICS(道路交通情報通信システム)のビィーコンを全線に渡り、計17箇所設置して道路交通情報の提供を開始する。また、県内では一般国道等でもVICSによる道路交通情報の提供を今年度から併せて行う。

○ フライト情報の提供
 伊芸SA(上り)、中条PA(上り)の2ヵ所に 那覇空港国内線の発着情報(フライト情報)を、専用モニターを設置して提供する。

○ 情報板の高機能化
 より詳細な道路情報を提供するために、全線の電光式情報板を90可変のLED情報板へ改良する。

□ 景観対策による沖縄らしさの整備

 高速道路へのアクセスポイントであるインターチェンジ周辺、高速道路本線のトンネル、のり面、オーバーブリッジ及び休憩施設において、植栽、塗装、石材等により修景し、沖縄らしさを表現することにより、 高速道路を沖縄の主要産業である観光の資源の一部として役立たせる。

□ 警備防犯対策

○ 仮設ITV及び道路照明の設置
 サミット期間中の沿道警備及び防犯対策の強化のために、全線に仮設のITV(テレビカメラ)設置しするとともに、那覇I.C~屋嘉I.C間に仮設の道路照明を設置し、加えてのり面の草刈や雑木伐採をより入念に行って万全を期す。

□ 高速交通ネットワークの整備等

○ 那覇空港自動車道の一部開通
 那覇空港自動車道は、沖縄自動車と那覇空港を連絡し、沖縄自動車道と一体となって沖縄本島を南北に縦断する基幹交通軸を形成する高規格道路である。平成12年末までに、沖縄自動車道よりの南風原道路5.1kmが開通予定であるが、JHではサミットまでにより早くより多くの開通を目指して現在準備中である。

○ 屋嘉I.Cに非常開口部の設置
 現在、屋嘉I.Cには那覇方面向けの出入り口しかない、しかしこの付近にはサミット関係者が利用する宿泊施設が点在しており、サミット会場である万国津梁館方面に向かう出入り口が必要となる。このためJHでは、アクセス機能の強化として期間中屋嘉I.Cに許田方面への仮設出入り口を設置することとした。

□ 外国からの来訪者に対するサービスの充実

 期間中、外国からの来訪者に対応できるような人員を交通管制室、料金所、休憩施設等に配置、また英文リーフレットによる案内など万全の体制を確保できるように努める。 

 以上のように、サミットが万全な状態で運営できるよう、またこの機会に世界に日本の道路技術の水準を理解してもろおうと、着々と準備は進んでいる。

 

 

   
 
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