大揺れの民主党を考える
 
         
   
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  通常国会が始まり約1ヶ月余りが経過した。次から次へと出てくる俗に言う「4点セット」を追求されて窮地に追い込まれるかに見えた小泉政権だったが、民主党永田議員の2月16日衆議院予算委員会における自民党武部幹事長の次男に対するライブドア前社長堀江被告からの不正送金疑惑に関する爆弾質問から、与野党の形勢が一転した。
 今までの成り行きを見ていると、どうも自爆質問の観が歪めない。自民党は余裕を取り戻し、来年度予算の国会通過も思いのままという様相になってきた。ピンチになるとなぜか違った風が吹き切り抜ける、小泉政権のいつものパターンが繰り返されているようだ。
 現状では、永田議員と民主党現執行部の若さと軽さばかりが際立つ結果となってきている。では、なぜ民主党はそんなに焦ったのであろうか。4点もある追求材料をじっくり詰めていけば、攻撃する材料には事欠かなかったのではないのか。その中でも、もちろんライブドア事件を一番の攻撃材料としていけば、自民党を追い詰め昨年の衆院選の大敗から脱却出来る絶好のチャンスではなかったのか。 

  この問題を考えたとき、どうしても合点がいかないことがある。それは、民主党が今でもその情報の入手ルートを明かそうとしないことである。大方の国民は、現状では民主党がガセネタを掴まされて大失態を演じ、その当事者は議員辞職の危機にまで及んでいると見ている。そんな時にまだ前原代表は、メールの信憑性がどうのとか言っているがそんなことでよいのだろうか。
 民主党が今やるべきことは、党の存亡に関わるような重大な情報の入手ルートをハッキリさせてどうしてこのような事態が発生したかを問うべきではないのか。もう少し具体的に言えば、疑惑メールの入手先と言われるフリージャーナリストがいるのなら、そのジャーナリストがなぜこのような情報を提供したのか。それは、独自ででっち上げたものなのか。もし、他に情報提供者がいるのなら、その人間が誰でなんの目的のためにこのような情報をリークしたのかをハッキリさせるべきではないのか。もし、民主党がガセネタを掴まされたのだとしたら、党として存亡に関わるような重大な被害にあっているのではないのか。
 一番お粗末な結末は、お宅系の今流行の世間を騒がせたいという動機を持ったヤカラの情報に民主党が乗ってしまって自爆質問をした場合であるが、そんなことが現実にあるであろうか。もし、本当にそうであれば民主党は解党的な出直しを行い、一から組織を作り直すべきであろう。
  もちろん、今の議論は情報がガセネタであるという前提に立っているが、その情報をでっち上げさせ裏で糸を引く大物が、もしいたとしたらどうであろうか。その人間が衰退に向かいそうな小泉政権に歯止めをかけ、民主党を陥れるために仕組んだ罠に、もしハマッタのだとしたら‥ もちろん、これは飽く迄も仮説であるが、もしそういう事実が明らかになれば必ずや流れは変わるであろう。
  小泉総理が永田議員の爆弾宣言の当日に、間髪いれずに「これはガセネタである」と断言した、あの余裕はどこからきたのか。なぜかそのことが不可思議に感じられるのは私だけなのであろうか。
  どちらにしても、民主党はこの件について今より状況が悪くなることはない。ネタ元をハッキリさせて、いくらかでも汚名挽回を図るべきである。もし、ガセでないことが立証できればそれこそ大変な事態に繋がるのは間違いない。武部幹事長が言うように「真実はひとつ」なのだから。
  国民の多くも、この問題をうやむやにせず、ハッキリとした結末が示されることを望んでいる。ライブドア事件の本質がこのメール問題でかき消されてしまっては、それこそ大変なことになる。また、そうすることが普段から民主党の主張していることなのではないのか。民主党の政治センスが問われている。

 
   
 
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